「・・・祭り、行くぞ。」

唐突にいわれ、シャルディーは戸惑った。だが、次にはこんな言葉を発していた。

「いや。いつもいつも約束すっぽかしてる人なんかと行きたくない。」

シャドウは顔色一つ変えない。

「そうか・・・。残念だな。」

そういって、出て行った。



独りとなった部屋で、シャルディーは自分をしかった。



何でいくって言わなかったの?



自分はそんな子供じゃない。あっさり行くなんていえない・・・。そうやって自分をごまかしながら、気づいた。いや、そう無理矢理考えた。

そんなことをいってること自体子供だ、と。

そうして独り納得し、シャルディーは後を追った。



遠くに見えたシャルディーを見て、シルバーはこういった。

「やっぱり来たでしょ?」

「ああ・・・。」

「あの子、いっつもは無理してるけど本当は・・・。」

「どうした?」

「なんでもないわよ。」

甘えん坊、という言葉は言うのはやめておいた。シャドウも気づいているはず、そうおもったからだ。



家族でお祭りを回りながら、シャルディーはまたすっぽかされるんだろうな、と自分にこっそり言った。でも、そんな考えはそのうちに消えていった。

かわりに。

パパもママも大好き。そういう考えが浮かび、それを打ち消すのに必死となった。でも、打ち消すことは出来なかった。
自分は否定しても、本当はそうなんだ。そういう考えもうかび、それを打ち消すのにまた躍起となった。