赤きハリモグラ、ナックルズ。彼の使命はここ、プリズンアイランドのマスターエメラルドを守ることなのだが、たいていの場合、暇である。

「ふぁ~、ったくこれじゃ運動不足になっちまうぜ。何とかなんねえかなぁ。」

こんな具合に。

「寝た、食った、あー、何かねえか!うおおおお!!」

放ったパンチは近くの岩を直撃。彼は絶対に運動不足にはならない。

「うらああああああ!!」

彼は、奇声と共に穴を掘り始めた。深く、どこまでも深く・・・。



「はぁ、はぁ・・・。ここはどこだ?」

調子に乗って気持ちよく掘っていた気持ちがさめてくると、彼は立ち止まった。しかし、また掘り始めた。何かに追われるように。

さらにがむしゃらに上へ下へ右へ左へ。
さらにしばらく掘ってから彼は確信した。

「・・・迷った。」

迷った、と言っても上へ上へ行けば済むことである。しかし、それに気づくのに三十分を要した。



「よし・・・。」

彼は考えた。どうせ戻っても何も無い。そしていつでも戻れるのなら・・・。

「おらおらおらぁぁぁぁぁぁ~!!」

さらに、深く、深く・・・。

「おららららららららら・・・。」

ガチン、と言う音と共に彼はとまった。なにかにぶつかったのである。

「こんなもん!うおりゃぁ!!」

彼は忘れていた。これが浮遊島であることを。