ソニックはソニックで苦労している。
なにしろ下手をすれば靴のせいであっという間にあらぬ方向へ吹っ飛んでいく。おかげで顔は擦り傷だらけである。
「No・・・。」
結局、あきらめてシャドウの気分を満喫することにした。
ただ、やはりストレスが溜まる。思いっきり走れないのだから。
「こんなのはいやだぁぁぁぁ!!」
そうこうすること三日後。
「ソニック、シャドウ!」
「なんだ?」
「戻れると思うよ、きっと。」
「よっしゃぁ!!」
「・・・で、これはなんだ?」
目の前にあるのは大き目のハンマー二つだけ。
「色々考えたけど、これがやっぱり一番手っ取り早いから。」
「ちょっと待て。」
「いくよ♪」
「Wait!Wait!!Waaaaaait!!」
ごきん、と鈍い音が響いた。
「うーん・・・。」
「どうかしら?」
「・・・だめだな。」
相変わらず、ソニックの体の口調はシリアスである。
「じゃあもっぺん・・・。」
「やめ・・・!」
ふたたび鈍い音が響き渡った。