「ルナ、か。」

そういえば、とエッグマンは気になっていたことを聞いた。

「なぜ、あんなところに・・・?」

カルナは答えなかった。代わりに、目が少し大きく見開かれた。

「分かった。答えたくないのなら、答えなくてもいい。」



カルナが再び眠ったのを見て、エッグマンは先の林の近くにあった村に向かった。そこで分かったこと。それは、ティファ家は狂人によって皆殺しにあったとい うことだった。カルナが生きていることは知らなかったらしい。彼の心を、アークのことが少しよぎった。



「おじさん、意外と優しいんだね。」

カルナと過ごすようになってから三日が過ぎていた。

「意外とはなんじゃ、意外とは。」

「だって自分で悪とか世界征服とかいってるじゃん。」

「む・・・。」

エッグマンは、お前は意外と小生意気なやつだ、と思った。

「ねえ、おじさん・・・。」

「なんじゃ?」

「世界征服したら、もっと人殺しを少なくしてくれる?」

世界征服の意味をわかっているのかいないのか、カルナは言った。

「そ、そんなこといわれてもな・・・。出来るか、どうか・・・。」

エッグマンはあいまいに誤魔化した。

「ふうん・・・。征服しても、出来ないの・・・。」

目を、暗い影がよぎった。変な言い方ではあったが、少年の考えていることは分かった。