「たく、エッグマンめ。こんなところに呼びつけて何のつもりだ?」
ソニックは部屋の中で悪態をついた。
「来たはいいが、何のお楽しみも無く待たされっぱなしじゃあねえ。もう少しサービスしろってんだ。」
部屋をちょっとかき回して帰ろうか、と思ったとき放送が入った。
「ほーほっほっほっほ!またせたのお、諸君!出てきてくれたまえ!」
「What?諸君ってことは他にもいるってことか?」
そんな疑問を持ちつつ扉を開けたソニックは目に飛び込んできたものを見て思わず、
「はあ!?」
と叫んでしまった。
そこにあったのは、冷蔵庫の森、キッチンの庭であった。見ると、周りにはテイルス、シャドウ、ルージュ、オメガ、エスピオ・・・などなど見慣れた顔が多く
あった。
「ねえ、これってもしかして・・・。」
「ルージュ、そのとおり!貴様らには、料理コンテストを行ってもらう!審査員は、このわしじゃ!!」
重い空気が漂った。
「エッグマン、キサマナニヲカンガエテイル!」
オメガが問いただす。
「よくぞ聞いてくれた!・・・実はのう、わしのメカの作る料理に飽きてしまったのじゃ。うまいことはうまいんじゃが、メカの宿命、単調なんじゃ。」
沈黙。
「ささ、全員キッチンに・・・」
「つくわけねえだろ!」
今にも飛び掛りそうなナックルズを前に、エッグマンは続ける。
「優勝者には望むメカを作ってやろう!」
「なら、テイルスに作ってもらえばいいさ。帰ろうぜ、ソニック、テイルス。」
「・・・ぽちっとな。」
ブォン、と言う音と共に周りには電流の網が張られた。
「さあ、これで逃げられんぞ!」
「エッグマン、ハイジョスル!!」
「あ、ぽちっとな。」
問答無用で飛び掛るオメガは、下から出てきた超弾力性トランポリンに跳ね返され、さらにバリアーに当たってショートした。一名、脱落。
「仕方ねえ、とっとと作って帰るぞ、エスピオ。」
「御意。」
「しゃあねえ、やってやっか。」
「たまには、ドクターに付き合ってやってもいいだろう・・・。」
こうして、エッグマン主催強制参加の料理コンテストは幕を開けた。