第1章 The Revolution
暇。彼にとって『最高にイケてないもの』。
ソニックは今日も街中を走りぬける。というのも暇つぶしをするためだ。
街中を走り抜けると同時に暇つぶしになるものを探してみる。
…と彼が見つけたのは一点に集まっている人々。
何やら面白そうな雰囲気だったのでちょっと寄ってみる。何かのパレードのようだ。
遠くから何か車のようなものがやってくる。車にしては少し派手なような気がするがそんなことには気に留めなかった。
近づいてきた。どうも他の国からお姫様がやってきたようだ。
ソニックを含め、人々がそちらへ目を向けているなか、ソニックとそのお姫様と一瞬目があった、
―ようにソニックは感じた。
パレードを見るのをやめるとそこにはまた別の人だかりが。
こちらは心なしか深刻そうな感じがする。
―と、そこにはスクリーンに映し出された見覚えのある姿。
「あいつ! またなんか始めるのか?」
ソニックが見たのは毎度おなじみのエッグマンだった。
「ほーっほっほ! わしは今回『史上最高の計画』をあと1分で遂行する! 楽しみにしておけ! ほーっほっほ!」
そう言うとスクリーン上からいなくなった。
―気づけば人混みの中にも見覚えのある姿が3つ。テイルスとナックルズとエミーだ。
「ああっ、ソニックはっけーん! ソニック~~~!」
「げっ! エミー!」
「今日こそ結婚してもらうんだから!」
「…なんていってる場合じゃないだろ?」
ナックルズの的確なツッコミ。
「ソニック、今の見た? 計画っていつもの『世界征服』かな?」
「さぁな。今にわか…」
ソニックがそう言いかけた時、先ほどのパレードの道で爆発が起こった。
人々は混乱し、かなりの騒ぎになった。まだ叫び声が響いている。
―と爆発の中から人影…いや『ハリネズミ』影が。
「あいつは誰だ?」
見たことのない感じのハリネズミだ。トゲに白い模様が入っている。
「ソニック・ザ・ヘッジホッグはいるか!?」
見慣れないハリネズミはソニックを探しているようだ。
「ソニック、お前なんかやらかしたのか?」
「No way!」
と見慣れないハリネズミはどうもこちらに気づいたしい。
(バカ! ナックルズ!)
「お前がソニック・ザ・ヘッジホッグか?」
見慣れないハリネズミはそう言ってナックルズを指さした。
「俺は違う!こいつだこいつ!」
(ナックルズ空気読めよ!!)
ソニックが軽くナックルズをにらむと
「ほぅ、お前か。」
と見慣れないハリネズミ。
「てかお前誰だ!」
「俺はシャイニー・ザ・ヘッジホッグ。過去からやってきたタイムキーパーの末裔だ!」
「過去ぉ? じゃあいったい何でソニックを狙うのよ!?」
「教える必要があるか?」
これ以上いうとどうしようもないことになるという乙女の勘が働き、エミーは話を続けることをやめた。冷酷な言い方だった。
「ということでお前を始末する。まわりのやつも道づれでな!」
そう言うとソニックたちが立っていた地面は消え、地中深くへと落とされた。
「Nooooo~!」
「フン、これで最後か。」
『エッグマンの計画』というのはシャイニーのことなのだろうか。
そんなこと考えながらもソニックたち御一行は地底世界への旅(片道切符)と出ることになった。
―この瞬間をあの『お姫様』が見届けていたのは言うまでもない…。